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耳で旅するオーストラリア「LIVE from オーストラリア」

 現地録音した音声をCDに収録し、生き生きとした会話や雰囲気をまるごと楽しむ――。
これまでロンドン編やニューヨーク編で人気を博してきたシリーズに、オーストラリア編が加わりました。
 旅行をはじめ、留学、ワーキングホリデー、ロングステイの行き先として、幅広い層に支持されているオーストラリアですが、「オージーイングリッシュ」がどんなものかはあまり知られていません。本書には、シドニーとメルボルンの二大都市で録音したナマ音を、音声の書き起こし、対訳とともに収録しました。収められたシーンは、ホテルのチェックインやバス・トラムの車内アナウンスといった基本的な表現から、パブツアーやオペラハウスのガイドツアー、ワイナリーでの少し専門的な説明まで、さまざま。話し手の性別、年齢層も広いので、まさに耳で旅する感覚で楽しむことができます。
 また、シドニーやメルボルンの文化についてのコラムも充実。著者が特に関心を持つオーストラリア料理やオーガニックスパ、カフェなどについて紹介しています。オーストラリアというと、自然やリゾートのイメージが先行しがちですが、イギリスをはじめとするヨーロッパ文化の名残とオーストラリア独自の文化がうまく融合している国だということがわかる、貴重な一冊でもあります。


LIVE from オーストラリア ■LIVE from オーストラリア
 〜学んで旅するシドニー&メルボルン〜

著者: 木谷朋子
定価: 1,890円(税込)
A5判・2色192ページ・CD1枚付き
ISBN978-4-7890-1333-8


▼ジャパンタイムズ/LIVE from オーストラリア
http://bookclub.japantimes.co.jp/act/Detail.do?id=1333

(著者 木谷朋子から一言)
「ライブ・フロム・オーストラリア」の編集制作エピソード


一昨年から昨年にかけてずっと手がけていたオーストラリア英語の本がやっと完成しました。「ライブ・フロム・オーストラリア」は、オーストラリアのシドニーとメルボルンの2都市で実際に現地録音して作ったオーストラリア英語の英語教材です。

オーストラリアというと、自然の雄大さとか豊かさをイメージされる人が多いと思いますし、それが魅力の一つでもありますが、その部分を本の中で音として表現するのは少し難しいと考え、何をもってオーストラリア文化を紹介するべきか、企画段階でだいぶ考えました。

最終的に、私の趣味もありますが、オーストラリアの文化を感じてもらうために、食文化を多くとりあげています。パブ、レストラン、カフェ、ワイナリーなどがそうですが、ビールはイギリス、カフェはイタリアやギリシャ、ワインはイタリアとドイツの移民たちが持ち込んだ文化です。自然の美しさや雄大さについて数多くとりあげられるオーストラリアで、何かもっと具体的な独特の移民文化を感じられるようなもの、と考えたとき「食文化」にいきつきました。

取材録音した場所も多岐にわたり、世界遺産のオペラハウス、19世紀から続くパブ、ガーデンシティと呼ばれるメルボルンの王立植物園のガーデンツアー、ヤラバレーのワイナリーツアー、ヴィクトリア時代の歴史建築物を改装したヒストリカルホテル、シドニーの『グッド・フード・ガイド』の編集長へのインタビュー、カリスマシェフが経営するレストラン、独特のコーヒー文化をもつメルボルンのイタリアン・カフェ、ブランド品のリサイクルショップ、バスやトラム、英語学校、料理学校、大学と収録した場所はシドニーとメルボルンだけで20数箇所。すべてを入れることができず、CDに入れるために泣く泣くカットしています。

個人的に印象に残ったのは、シドニーのカリスマシェフの英語。彼の英語がどうしても気取ったイギリス英語に聞こえるため、プロフィールを詳細に調べてみたら、ロンドンのシティにある有名レストランにいたことが判明。私が取材した超有名店の一つで、アノ店にいたのなら、さもありなん、という感じでした。

メルボルンの王立植物園のガーデンガイドさんの英語も非常にわかりやすく、興味深い内容でしたし、ブティックやカフェ、スパ、ホテルでのやりとりにも私たちが使えるネイティブらしい表現がたくさん出てきます。

どう聞いてもイギリス英語に聞こえる人に出身を聞くと両親がイギリス人。ということも多々ありました。出身による英語の差があるのはオーストラリアならでは。そこがまた面白いと私は感じています。

文化的に面白いと思ったのは「ハイティー」の違い。イギリスの「ハイティー」は夕食を意味する言葉ですが、オーストラリアでは「イギリスでいうアフタヌーンティー」のことを指します。そこで、「グッド・フード・ガイド」の編集長に、オーストラリアの「ハイティー」がイギリスの「ハイティー」とは違うこと、また、シドニーで「ハイティー」が楽しめる場所を教えてください、とお願い。収録音に入っていますので、ぜひ聞いてみてください。

今回の教材の特徴は、日本でナレーターによるスタジオ録音で作られたものとは大きく違うということです。まず、登場する人物はプロのナレーターではありません。オーストラリアに実際に住んでいる普通の方々にお願いして、おしゃべりしていただいています。

ですから、英語のスピードも普通の教材のように統一した日本人にわかりやすいゆっくりとしたスピードではなく、人によってバラバラ。話し手の人たちには、「スピードを落とさず、いつものように話してください」と強くお願いして話していただいています。ですから、おっとりした人はゆっくり、早口の人はスピードが早いですし、緊張のあまり、はしょってしゃべっている人もいます。効果音も一切なく、実際に現地で聞こえてくる音が英語とともに楽しめます。
 
比較的わかりやすいのは、乗物の部分の電子音の英語と、シドニーのオペラハウスやロックス・パブツアー、メルボルンの王立植物園かなと思います。毎日観光客にガイドをしているガイドの方に説明していただいたため、話慣れている英語という気がしますね。

もちろん、他の部分も役に立つ英語が満載です。みなさんプロではないものの、いろいろ説明してくださり、この本のためにがんばってくださいました。そのため、収録音全体を通して、とても充実した内容になっています。

今回、収録のトップバッターとなったのは、ディーキン大学の英語コースのディレクター(校長先生と本の中では書いてあります)ベン・スタッブスさんです。最初は何回かテイクしないと難しいかな〜と思っていたのですが、ベンさんの場合は、1回のテイクでOK。収録音を聞いていただくと、ディーキン大学のことがコンパクトにわかる内容になっています。

さらに、収録音には残念ながら入っていないのですが、メルボルンの魅力を話していただきました。ベンさんの話を聞いていると、誰もがメルボルンに行きたくなってしまうくらい、とっても魅力的なお話でしたので、掲載できなかったのは本当に残念です。

ベンさんの英語は実はオーストラリア英語とは思えない部分が多々あり(ご両親がイギリス人なので、イギリス英語そのものと言ってもいいと思えるくらいです)、そのときに私が感じたエピソードなどもコラムで書いています。ぜひ読んでみてください。

これからオーストラリアへの留学を考えている方たちにとって、「オーストラリア英語とはどんな英語なの?」という疑問がまず第一にあると思いますが、その答えがこの本の中にはたくさん詰まっています。視聴はジャパンタイムズのホームページからも聞くことができますので、まずはご視聴お願い致します。

この本を編集執筆するにあたり、収録に参加していただいた場所はもちろん、オーストラリア大使館の教育部、ニューサウスウェールズ州観光局、ヴィクトリア州観光局、ヴィクトリア州教育部、メルボルン・エデュケーション・センターの山下多英子さんほか、さまざまな関係機関のご協力をいただきました。収録音を何度も聞き、耳で旅する気分を味わいつつ、楽しみながら英語を勉強してみてください。